ビラーンの医療と自立を支える会(HANDS)

ホーム -> ビラーン通信バックナンバー -> ビラーン通信38号より

現地報告 ビラーン通信38号より

ボルール(NIA助成)とサムラング(重松資金)短期技能研修

電気配線を実習する研修生
   数名の就職組(注文を受けて料理の出前や、配線工事を請け負うケース)に対して、大部分は、「研修修了証」と「短期集中型実習の実績」をもって求職活動中です。ミンダナオは就職難で、町の事業所での雇用は至難です。親を手伝い、山のわずかな畑を耕すという潜在失業の状態に戻る者が多いようですが、全員のフォローアップができていません。2年間で90%の就職というメリトン神父の目標達成は無理としても、サムラング研修で習得した農業機械操作は地域で生かせる技能ですので、頑張って欲しいと思います。



モロコミュニティ地域医療推進プロジェクト(中田資金)

PIHS責任者ナプサさん(左)と
2名の熟練ヘルスワーカー
2003年FRN助成で開設した鍼灸院
看板の前で
   資金のあてがなく延期やむなしと前号でお伝えしたモロコミュニティの地域医療推進プロジェクトを、会員の中田さんのご協力で実施できることになりました。デング熱とマラリア患者が多く出ている村では、すでに本事業の巡回診療予算で対応しています。7月20,22日には、栄養失調の子どもの支援と指導のために、乳幼児の体重測定を実施、虫下しも飲ませました。
 今後はヘルスワーカーの知識と技能を向上させるための研修などを実施します。設備の整った病院に入院できない貧しい住民は、病気になったら終わりです。病気にならないように、病気が重くならないように、村ぐるみで取り組む事業です。



サムラング有機モデル農場

フィッシュポンドで泥だらけになって頑張るカンブンさん
   サムラングと隣りのラプラ村の住民で、SOFA(Somurang Organic Farmares Asossiation)という組織を結成しました。このモデル農場で、有機栽培のやり方、肥料や田んぼ、フィッシュポンドの作り方、豚や魚の育て方など、循環型の持続可能な農場の作り方を学び、自分の耕作地に応用するのです。希望者は35ペソ(約70円)払って入会し、必要な機材を借りることができます。講習日は月2回土曜日です。講師はCMBスタッフのリコ。もちろん、「充分学んだ」と感じれば、脱会して構いません。今度はSOFAに入会していない隣人に、技術を伝えることを期待されます。

網の使い方を習う

SOFAのミーティング
 
 訪問した日は、田植えの仕方、バナナの木の株分けの仕方、フィッシュポンドでの網の使い
方を学んでいました。近くの川から水を取ることができるサムラングでは、フィッシュポンドが人
気です。子どもたちもやってきて、遊びながらおとなを手伝います。残念ながら町で販売するま
でにはまだまだですが、ティラピア、ドジョウ、タニシは大事なタンパク源となります。

 問題はやはり資金。例えば「人間の尿を作物の根元に撒けばアリの害を防ぐことができる」と
学んでも、その尿を貯めておくプラスチックの容器を手に入れることが困難なのです。CMBは
ラーニングファーム(=学びの農場)として、近隣の農民から講習費を取って運営することを考
慮中です。
 おとなと子どもが一緒に学べるこの農場は、つばめが飛び交い、風が吹き渡る心地良い場
所です。ぜひ一度訪れて、一緒に汗を流してください。




ジルベルト・マラジャさん
ティナゴ高地民同盟 書記
 
ラムフゴン村&バンカル村教育事情

 植林ツアーで滞在したラムフゴン村とバンカル村では、小学校卒業後、ハイスクールに進学できる子どもはごくわずか(2004年度ラムフゴン村4名、バンカル村2名)。その子どもたちもワーキングスチューデントとして、町に近い農場での早朝と夜遅くまでの仕事をこなしながら、学業を続けているそうです。そんな状況を見かねて、ジルベルトさんと村民たちから奨学金について相談されました。もちろん植林したから、すぐ村の生活が豊かになるわけではありませんし、教育は今後の村の在り方を考える上で大切な問題です。みなさんと共に支援の仕方を考えていきたいと思います。


このページのTOPに戻る    ホームに戻る