10周年記念の集いに参加して 安達美菜
10月21日の10周年記念の集いは多くの方が参加され、会場は賑やかだった。
ドキュメンタリー映画「踊りの記憶」は、パラワン州北部のタグバヌア民族、ヌエバビスカヤ州
のブグカロット民族とそこに移住したイゴロット民族、ミンダナオ島アポ山周辺に住むマノボ民
族が、先祖伝来の土地で外部からの開発と戦いながら文化を継続・再生していく様を描いてい
た。登場する長老や、若きリーダーは誇りと自信に満ち、彼らが暮らす湖や山は美しかった。
ビラーンや日本のアイヌ民族など先住民族がいずれも、より大きな権力の欲望の犠牲になっ
てきた歴史を再認識させられると同時に、希望も与えてくれた。
北部ルソンで活躍されるIYAMANの事務局長、松本栄子さんとスタッフのジェーン・ニギワスさ
んのお話もとても興味深かった。驚いたのが、現地スタッフで日本人は松本さん1人ということ。
農業や教育、医療などの支援、指導をされているのだが、現地スタッフが育っていて自分達で
計画、運営などを進めていた。会議、議論の仕方から研修をしたり、大学卒業生を地元の教
師に迎えることで子供達の学習意欲を高めたり、1500〜2000mの高地に適した栽培物の指
導、有機農法も取り入れていた。農業で生活をするのは難しい。大学卒業者の8割は海外で働
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く事を望むなど、ビラーンと共通した問題はある。ジェーンさんもイゴロット民族の人々の暮らし、長老を敬う伝統、また、高地に暮らす為、サルに近いという蔑視があり、尾を見ようとする人がいて心を傷つけられる事などを話してくださった。HANDSも素晴らしい成果を挙げているが、自立という事がどうしても難しい。グローバリゼーションから逃げられない事が一番大きな原因だが、松本さんの「NGOはいつか去るべきもの」という言葉が強く印象に残った。 |
ラムブソン校舎が完成!<松尾建設基金事業>
教室不足のラムアフス小学校で進められていた増築工事がようやく終わり、去る7月26日待
ちに待った竣工式がありました。
ラムアフス校のあるラムブソンコミュニティーは、麓のクロッドで車を降りて徒歩1時間。それほど遠いわけではありませんが、馬もあえぎながら上る急坂で、雨季の間は砂利・セメント・木材を運べませんでした。また両側が急斜面の狭い学校敷地に増築する校舎は一部が斜面に張り出す形で基礎工事に時間がかかりました。
教室は増えても先生は3人だけです。マリオ先生をはじめとして、教師歴10年近いベテラン揃いです。交互に自習をさせながら2学年を同時に指導することになります。 |
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2年目に入った給食支援は、新校舎の完成で全校生徒がそれぞれの教室で落ち着いて食べ
ることができるようになりました。校舎増築でいっそう教育効果が出ることを願っています。
アトゥモロック母親クラブ報告−FRN助成マイクロクレジット事業その後−
男性たちが中心に進めた7年前の多目的組合事業が頓挫するなか、母親たちが3年前に始
めた小規模事業資金貸付プロジェクトは、天日乾燥場を管理して使用する農民から一袋8ペソ
を徴収するなどしっかり機能しているようです。当会への定期報告義務をきちんと守っている
顧問のエルナ先生の事業管理能力も評価できます。
アグロフォレストリー経過報告
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@サウスコタバト州ノララ町ランブソン村では、2004年にイオン財団の助成でライブリフッド(生計)事業を行いました。具体的には研修後、山の畑にバナナや果樹を植え、数年後(バナナは18ヶ月後)の現金収入の糧とするとともに、斜面の土壌流出を防ぐ、というものでした。ただし資金の都合上、村人全員にこの研修を行うことはできず、選ばれた20名のみが対象でした。
写真はこの夏撮影したものです。山の上半分は研修を受けた人の畑、下半分は受けていない人の畑です。 |
研修を受けた人は傾斜地農法を実践し続け、フラミンジャがきれいな線を描き、果樹が育って
います。下の畑はトウモロコシ収穫後、焼畑を行いました。灰は肥料になりますから短期で考
えれば有機農業ですが、長期的な目でみれば、将来の収入と土壌流出が不安です。ランブソ
ンは畑を耕す家畜もほとんどおらず、全て人力で行っています。今後の希望は再度研修と家
畜を購入するマイクロクレジットが導入されることだそうです。
A同じく2004年に植林を行ったラムフゴン村(緑の募金事業)の山の畑です。植林ツアーを実施したモデル農場に隣接した山腹斜面です。マティオ・マヤダさんもライブリフッド研修を受け、自分の斜面の畑にバナナ、マンゴー、マホガニーを植えました。畑は飛び地になっているので、「もうひとつの畑でも傾斜地農法を行いたい」とのことです。
果樹が育ちつつある自分の畑を指差すマヤダさん
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COWHED事務所前で組合員と |