給食は大切な学びの時間
− ラムアフス小・マリオ先生の報告 −
7月に新学期が始まり、週2日の給食の日には、全校児童81人がそれぞれ薪や野菜を持って登校します。
給食は家庭科の授業の一環であり、5、6年生は先生の指導のもと、当番の母親たちとともに安くて栄養ある食事づくりを学ぶ機会となっています。自分の家で給食のメニューを取り入れる児童もいます。
給食の実施で体調を崩す子どもが減り、平均体重も確実に増えています。今少し、続けて支援をお願いできればと思っています。
教育の自立のかたち ―ブラクール校の職員会議 − 6月10日から1週間、事業地域を回ってきました。ゴムノキ事業モニターのため滞在していたブラクールでは、年度初めの職員会議に同席しました。 最初の議題は、小学校1年からハイスクール4年まで10名の担任の決定です。続いて先生方の給与に関わる予算の検討です。ブラクール校を運営する住民組織MTBCAI (Manobo & T’boli Blakul Community Associastion, Inc.) のサンクパン理事長他住民が見守る中、先生たちはじっくり議論を重ねました。
ハイスクール生徒数に応じて交付される政府補助金が28万ペソ、海外からの支援がアメリカのサンタクルスとHANDSからの合計43万ペソ。これに父母協力金などを加えた年72万ペソ(約140万円)が全収入です。ここから教材費や備品費などを差し引いて10名で割ると、教師1人の平均給与は前年並みの月額4000ペソとなりました。公立学校の半分にもなりませんが、裏庭に果樹を植え、ヤギ1匹を13匹に増やしたアナベル先生一家のように、工夫次第で何とか生活できる金額です。3時間近いこの会議の間に、PFPスタッフのロニーさん、ニックさんが発言したのは2回のみでした。
MTBCAIが設立されて15年。このように学校運営にPFPが関与することは少なくなりました。教師の半数以上は、HANDSの奨学金でカレッジを終えたマノボやティボリの青年です。人材面では着実に自立が進んでいます。
資金面ですが、5月末のHANDS総会で承認されたブラクール支援金は年33万円です。2002年にFOTの会から引き継いだ時の60万円から27万円の減となっています。学校農園収入や授業料などの自主財源増加に期待しての漸減ですが、自主財源はまだ少なく、減額分を補てんしているのは数年前に始まった政府補助金です。
教育には費用がかかりますし、それは政府の責任でもあります。ブラクールで住民が担ってきた中等教育が評価され、補助金が交付されるようになったのは、教育のあるべき姿に一歩近づいたと言えます. |